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2007年04月17日(火)

『姑獲鳥の夏』  作:京極夏彦

いつもなら、推理小説は、我慢しきれなくて、一気に読んでしまうのですが、
今回は、本当に、まとまった時間がとれず、チビチビ読みました。
1週間ぐらいかけて、ゆっくり読みました。

そんな風に、ゆっくり読んだせいかもしれないけど、
『犯人は、いったい誰!?』と、いうよりは、登場人物のキャラクターや、
文章そのものを、楽しんで読みました。
F1000360.jpg

と、言うのも、細かいトリックは、さすがに、わからなかったけれど、
犯人(?)や、事件の鍵を握っているだろう人物は、物語の中ほどで、
だいたい想像がついたし、意外な結末!!的なドッキリも、全然なかったんですよ。

では、では、詰まらなかったのか?
と、聞かれると、そんな事ないのです。
すっごく、面白かった。
同じページを、何度か、読み返したりするほど、面白かったです。

時代背景が、よく書かれているし、
推理小説では「真実は、1つ!」みたいな考え方が、普通だけど、
(実際、1つなのですが。)
時代や、立場が違うと、人によって、同じ状況でも、こんなに『現実』が、
変わってくるんだという、面白さ。
(意味わからない文章ですね。あぁ、書くって難しいf^^;)

幽霊や、呪い。ご先祖様。怪奇現象。時間の流れ。
目には見えなくても、実際にあるもの。
そういったものは、全部、自分の脳が作りだしたものだという、
一貫した考え方が、とても説得力があって、妙に、納得してしまった。
「現実に生きているかの如き、錯覚を以て、実際は脳の中で、暮しているようなもの。」
う〜ん。よく、考えると、とても、怖い。

ケロが、脳卒中・高次脳機能障害で闘病中だから、よけいに、そう考えてしまうのだろうけど。
脳が、人(とは、限らないけど)の感覚の全てを支配しているのなら、
ケロは、今、どんな世界にいるんだろう・・・と思う。

結局は、
「日常から、非日常を覗くと恐ろしく思えるし、逆に、非日常から日常を覗くと馬鹿馬鹿しく思えたりする。しかしそれは、別のものではない。同じものなのだ。世界はいつも、何があろうと変わらず運行している。個人の脳が自分に都合よく日常だ、非日常だと線を引いているに過ぎないのだ。いつ何が起ころうと当たり前だし、なにも起きなくても当たり前だ。なるようになっているだけだ。この世に不思議な事など、なにもないのだ。」
と、言う事なんだろうなぁ。
妙に、慰められたような・・・共感したような・・・。
でも、深く考えると、とても怖い話でした。
私にとっては、推理・ミステリー小説と言うよりは、哲学に近い印象の本でした。

テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌

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Comment

脳の中で暮らすとは
思い込んで自分で線を引いてるって事ですかな?

自分にはこれが出来てこれが出来ないとか決め付けてるところが私にはありますね。
まわる牛 | 2007.04.17(火) 16:58 | URL | コメント編集

●まわる牛さんへ

あ、そういう意味もあると思う。
「はじめに、言葉ありき。」で、
(この言葉は違う意味かもしれないけど)
たとえば「来年は、不幸な事が起きるよ。」と、ずっと言われ続けると、本当に不幸な事が起きた(ような気がした)り、
逆に「綺麗になったね〜。」とか、言われ続けると、
本当に、綺麗になったり、
言葉には、そんな力があって、
そう言った勘違い(?)は、脳によって思い込んで起きる・・・みたいな考え方ですね。
催眠術によって、見えないものが見えたり、出来ない事ができてしまうのも、脳の勘違い。
言葉自体に、本当に力があるなら、英語のわからない人でも、英語で催眠術にかかるわけで・・・そうならないって事は、
言葉の力ではなく、言葉を理解する脳の力って事です。

だから、「自分にはできない」って思い込むのも、その一種だと思う。

ポジティブに影響を受けるのはいい事なのかもしれないけど、
とかく、人間は、弱いもの。
この小説では、幽霊とか、呪いとか、怪奇現象に惑わされては、いけないよって事です。たぶん。
私が言うと、すごく軽い言葉になってしまうけど・・・
大切な事だと思いました。
トモリカ | 2007.04.17(火) 21:57 | URL | コメント編集

推理小説から 哲学を学ぶこともありなんだね。
推理小説に限らず 本や詩をかう人ってある意味すごい人種だと思う。
日常でわすれかけていたことを 思い返させられたり…。

ケロさん…きっと厳しい世界で戦っていると思うけど つらい事ばっかじゃないと思うよ。トモリカやお子さん達との楽しい事 嬉しい事いろんなこと考えて頑張っているよ!
きーまん | 2007.04.18(水) 10:21 | URL | コメント編集

●そうですねえ〜

たとえば一つの物語で、そのすべての登場人物から見たストーリーって面白いと思うのですよね。。。
男女の話だとその両方から見た物語というのが、過去にいくつかありましたが。
それと、この時こう考えたらどんな人生になるだろうなんていう二つのストーリーも面白いですよね。。。

言葉の問題ですが、私はあえて自分の気持ちを口に出して言います。
独り言のように。「アー。気分が良いなあー。」「これ美味しい!」
「意外と似合ってる!」と前向きな事だけ。
また、出来るだけ良い所を見つけて話している相手に伝えるようにします。
決められた人生の長さなら、楽しい方がいいですからねv-218
ぐっすりさん | 2007.04.18(水) 14:00 | URL | コメント編集

●きーまんさんへ

本当に、そうだといいけど。

ケロの事に関しては、
最近は、めっきり弱気な私です。
どう考えたらいいのか、
自分がなにをすればいいのか、
まったく、わからなくて、
ただ、時間だけが過ぎてゆく。
トモリカ | 2007.04.18(水) 14:48 | URL | コメント編集

●ぐっすりさんへ

そんな小説、いくつかありましたね。
「あの時、あの人は、どう考えたんだろう。」とか、
「あの時、あっちを選んでいれば。」とかって、
誰しも思う事なんでしょうね。
人生の永遠のテーマだから、小説になるんだろうな。

自分の気持ちを言葉に出すって、いいですね〜。
私は、嬉しかった事を、日記に書くようにしています。
悪い事って印象に残るんだけど、いい事って忘れがち。
その場で、言葉に出したら、もっと楽しくなりそう♪
いい習慣だと思います。
トモリカ | 2007.04.18(水) 14:55 | URL | コメント編集

●管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 | 2007.04.18(水) 19:50 |  | コメント編集

>言葉自体に、本当に力があるなら、英語のわからない人でも、英語で催眠術にかかるわけで・・・そうならないって事は、
言葉の力ではなく、言葉を理解する脳の力って事です


なるほどです。

怪奇現象や幽霊、呪いなどは私はどうしても信じちゃいますね。
まわる牛 | 2007.04.19(木) 16:13 | URL | コメント編集

●まわる牛さんへ

なんだかんだ言っても、私も、
心霊とか、怪奇現象とか、否定しきれないです。

つまり、自分の脳が、否定しきれなかった時点で、
すでに、自分にとっては、真実だという事なんですよね。

自分に自信のない私は、なんだか、全てが不安になってしまう本でしたf^^;
トモリカ | 2007.04.19(木) 18:04 | URL | コメント編集

●これ面白かったですね♪

この本、私も何度かページを戻って読みました(笑
京極堂のウンチクには「なるほどねぇ」と感心してしまいます。
「物は考えよう」って言うけれど、気持ちと頭(考え)が一致しないのって
不思議だなぁって思います。
脳で考えて処理しているなら、辛い時には頭が痛くなれば
頭痛薬飲んで済ませるのに、胸がクーってなるんだもの。
胸痛の薬なんて持ち合わせていないおざくは困ります。
おざく | 2007.04.20(金) 20:58 | URL | コメント編集

●おざくさんへ

なんでも、理屈通りにいかないんですよね。
京極堂の言っている事は、すごくよくわかるんだけど。
そうやって、割り切れたら、
どんなにいいかって、思います。
私も、あんな理性的な人間になりたい。
トモリカ | 2007.04.21(土) 14:26 | URL | コメント編集

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いつもなら、推理小説は、我慢しきれなくて、一気に読んでしまうのですが、今回は、本当に、まとまった時間がとれず、チビチビ読みました。1週間ぐらいかけて、ゆっくり読みました。そんな風に、ゆっくり読んだせい
2007/04/20(金) 20:35:14 | おざくでござる
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